『赤毛のアン』Ｌ・Ｍ・モンゴメリ著、 松本侑子訳、集英社文庫、840円 巻末訳注より抜粋

モットー		第1章		2	3	4	5	6	7	8	9	10	11	12	13	14	15	16	17	18
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第34章 （１）電話線が空をさえぎるようにはりめぐらされている（P404）‥‥（略）、集英社文庫参照。 （２）見知らぬ人の足音が響き（P404） ‥‥イギリス、ウェールズ地方の詩人で弁護士のルイス・モリス（1833〜1907）の『自由ローマによせる詩』（1870）の第八節九行にも「ローマは異国から来た者に足で踏みにじられ」と、似た表現がある。＊ （３）たくさんの街灯に照らされて（P404）‥‥（略）、集英社文庫参照。 （４）ヴァージル（P406） ‥‥古代ローマ第一の詩人。ラテン語名ではウェルギリウス。トロイの英雄アエネーイスがローマを建国するまでを描いた詩をサリー伯（はく）が英訳した。ジェーンの台詞（せりふ）のようにモンゴメリも、カレッジ入学の翌日から、早速（さっそく）ヴァージルを二十行習うことになったと日記に残している。 （５）レッドモンド大学（P407） ‥‥カナダ東海岸ノヴァスコシア州の州都ハリファックスにあるダルハウジー大学がモデルになっている。モンゴメリは教師生活を経験した後、1895年、二十一歳の時に、ここで英米文学を学んだ。また夫のマクドナルド牧師はこの大学で文学士号を取った。訳者も91年にモンゴメリの足跡を訪ねてこの大学に行ってみた。カナダ東海岸において古い歴史のある大規模な大学。今ではアジア系の優秀な学生が多く、近代的な校舎が多い。しかし中には石造りの非常に古い校舎もあり、モンゴメリが通った日々がしのばれる。 （６）生まれ故郷ヒースの丘に立った（P407） ‥‥ウォルター・スコット作の歴史小説『ロブ・ロイ』（1817）の第三十四章で、スコットランドの義賊（ぎぞく）ロブ・ロイ（本名、ロバート・マグレガー）が話す台詞からの引用。「故郷ヒースの丘に立つ、我こそはマグレガー」より。ロブ・ロイのモデルとなったマグレガー（1671〜1734）は、十二世紀のイギリスに出没して金持ちから奪い貧しい人々に施した伝説的な義賊ロビン・フッドのような人物。 （７）カナダ大西洋沿岸（マリタイム）の三州（P407）‥‥（略）、集英社文庫参照。 ●この文章の著作権は、筆者・松本侑子に帰属します。 　無断転載は、著作権法で、厳しく禁止されています。 　論文、個人・法人のサイト等に引用される場合は、著作権法の規定にもとづき、 　「モンゴメリ著『赤毛のアン』（松本侑子訳、集英社文庫、2000年）より引用」 　と明記して下さい。
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