『赤毛のアン』Ｌ・Ｍ・モンゴメリ著、 松本侑子訳、集英社文庫、840円 巻末訳注より抜粋

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第4章 （１）風がびゅうびゅううなるような荒野（P54） ‥‥旧約聖書「申命記」第三十二章十節にある「獣のほえる不毛の地」にちなむ。「主は荒れ野で彼を見いだし／獣のほえる不毛の地でこれを見つけ／これを囲い、いたわり／御自分のひとみのように守られた。」 　グリーン・ゲイブルズの最初の夜は、アンにとって獣がほえるような荒涼とした荒野に置きざりにされた気分だった、ということ。＊ （２）心の同類（P56） ‥‥エリザベス・エパリーの評論集『甘い草の香り』の五頁（ページ）によると、オーストラリア生まれのイギリスの女性作家エリザベス・フォン・アルニム（1785〜1859）の小説『エリザベスとドイツの庭』（1898）、とある。 　小説は英文全文を入手したがまだ確認できず。 　この作者アルニムは、キャサリン・マンスフィールドのいとこで、『魅せられて四月』などの小説で人気があった。 （３）まるでアンの頭からろうそくの火消しをかぶせたように（P56） 　‥‥イギリスの作家チャールズ・ディケンズ（1812〜70）の小説『クリスマス・キャロル』（1843）の第二章「三人の精霊のうち最初の精霊」で、ろうそくの火消しを帽子のように持ったクリスマスの精霊が出てくる。＊ （４）林檎香（アップル）ゼラニウム（P57）‥‥（略）、集英社文庫参照。 ●この文章の著作権は、筆者・松本侑子に帰属します。 　無断転載は、著作権法で、厳しく禁止されています。 　論文、個人・法人のサイト等に引用される場合は、著作権法の規定にもとづき、 　「モンゴメリ著『赤毛のアン』（松本侑子訳、集英社文庫、2000年）より引用」 　と明記して下さい。
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