『赤毛のアン』Ｌ・Ｍ・モンゴメリ著、 松本侑子訳、集英社文庫、840円 巻末訳注より抜粋

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第7章 （１）「神は、無限にして永続不変の魂なり。神は、知と力、聖と正義、善と真実の存在なり」（P77） ‥‥神をこのように定義しているのは、長老派教会の「小教理問答集」の質問四。 　この問答集は、ウェストミンスター会議（1647）で作られた二種類の教理問答のうちの一つ。インターネットの「長老派教会バイブル・オンライン」に全文が掲載されている。 　それを読むと、聖書の各書物から、いろいろな言葉を抜き出して一つにまとめたのが、この「神は、無限にして‥‥」と分かる。＊ （２）教理問答集（P77）‥‥（略）、集英社文庫参照。 （３）「今や私は横たわり、眠りにつこうとしています」（P78） ‥‥イギリスの伝承童謡集『マザーグース』にあるお祈りの言葉。幼い子ども向けなので、マリラが感じた通り、確かに、おませなアンには似合わない。 　初出が1683年にボストンで出版された学校の読本なので、アメリカ起源の唄が『マザーグース』に入った例と見られている。これは今でもアメリカでは子どもによく知られていて、替え唄まである。 （４）『明け方（ピープ・オブ・デイ）』（P80） ‥‥メソジスト系の日曜学校の副読本として、1830年よりボストンで出版された子ども向けの物語。 　シリーズで多数出ていて、訳者は何冊かハーバード大学ワイドナー図書館で読んだ。平易な言葉で書かれている。　十九世紀のアフリカのコンゴ布教用に現地の言葉で書かれた『ピープ・オブ・デイ』もあった。 　神について無知なアンの教育用にマリラが選ぶにふさわしいテキストだ。 ●この文章の著作権は、筆者・松本侑子に帰属します。 　無断転載は、著作権法で、厳しく禁止されています。 　論文、個人・法人のサイト等に引用される場合は、著作権法の規定にもとづき、 　「モンゴメリ著『赤毛のアン』（松本侑子訳、集英社文庫、2000年）より引用」 　と明記して下さい。
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