『赤毛のアン』L・M・モンゴメリ著、
松本侑子訳、集英社文庫、840円

巻末訳注より抜粋
モットー 第1章 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38

第27章
(1)天使ガブリエル(P310)
‥‥七大天使の一人。人間への慰(なぐさ)めと吉報の天使で、新約聖書「ルカによる福音書(ふくいんしょ)」で聖母マリアに受胎(じゅたい)を告知するのも、この天使ガブリエル。旧約聖書「ダニエル書」にも登場する。

(2)ドイツから来たユダヤ人(P314)‥‥(略)、集英社文庫参照。

(3)「ひとたび人を欺(あざむ)くと、(つじつまを合わせるために)なんともつれた網目を織らねばならないことか」(P315)
‥‥ウォルター・スコットの物語詩『マーミオン』第六篇(ぺん)第十七節より。
 この一節も、元歌があり、古代ローマの喜劇詩人テレンティウス(紀元前二世紀頃)が書いた詩の一節。本書の第29章にも、『マーミオン』を、アンが歩きながら暗誦(あんしょう)する場面がある。第5章(8)も参照されたい。

(4)本に出てくる女の子は、熱病や気高(けだか)い目的のために髪を切るというのに(P316)
‥‥気高い目的と言えば、ルイーザ・M・オルコット(1832〜88)作『若草物語』(1868、9)で、次女のジョーが、入院している父親のために頭を刈り上げて髪を売り、お金の工面をしたことが思い出される。
 『若草物語』はモンゴメリが生まれる前に発行されてベストセラーとなり、彼女も読んでいた。

(5)スヌード(P317)
‥‥ヘアバンドを意味するスコットランド語。昔、スコットランドの未婚女性は、独身の印にリボンをはちまきのように巻いた。本書にはスコットランド語もちらほら出てくるが、その一つ。


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